どうも、管理人のけいすけです。
4chanという掲示板サイトは、このブログでご紹介している他のサイトとは少し趣が違います。
5ちゃんねる等の日本の掲示板文化から派生していったサイトのひとつではありますが、ターゲット・利用者が英語圏のユーザーに向けたものであり、やりとりされている言語も英語である為です。
今回は4chanへの削除依頼について、日本に住む英語が苦手な立場で出来る限りのことを調べてみます。
これはなかなか難しい課題ですが、世の為人の為になるテーマでもあると思ってやりますので、ぜひお読みください。
そもそも4chanって何?
4chanは英語圏を対象とした巨大画像掲示板サイトです。
日本の「ふたば☆ちゃんねる」に影響を受ける
4chanは、2003年に当時15歳だったニューヨーク在住の少年moot(本名はクリストファー・プール)によって立ち上げられました。
mootは日本のふたば☆ちゃんねるに影響を受け、アメリカにもアニメやテレビ番組について語り合うサイトを作りたいと考えての設立でした。
実際に4chanでは、ふたば☆ちゃんねるで使われているスクリプトを流用しています。さらに、ふたば☆ちゃんねるの非公認姉妹サイトを名乗るなどしていました。
ある時期からアクセス数と利用者数で本家のふたば☆ちゃんねるを超えており、世界最大の画像掲示板となっています。
ふたばライクであり、5ちゃんライクである
そもそも4chanが影響を受けたふたば☆ちゃんねるは、閉鎖騒動の起きていた5ちゃんねる(当時の2ちゃんねる)の避難所として創設されたサイトです。
ふたば☆ちゃんねるは5ちゃんねるの文化を色濃く受けており、ふたば☆ちゃんねるを参考にした4chanも玉突き的に5ちゃんねるの文化を受け継いでいます。
投稿は基本的に匿名であり、投稿のデフォルト名も日本語の「名無しさん」に相当する「Anonymous」になっています。
知らない人から見ると、Anonymous(名無しさん)という一人の人物が大量に投稿しているように見えるという点も共通しています。
また、返信投稿によってスレッドを一覧上部にリストアップさせないコマンドである「sage」も、英語ではセージ(賢者)の意味に取られてしまいますが、日本語のルールそのままに採用されています。
現在の管理人はひろゆき
4chanは資金難などの紆余曲折を経て、2015年に管理人がmootから2ちゃんねるの創設者として知られているひろゆき(西村博之氏)に交代し、この記事を作成した2020年現在も継続しています。
ふたば☆ちゃんねるというサイトを経て、4chanの元祖とも言える2ちゃんねるのひろゆきと繋がったというのは数奇な運命ですね。
4chanへの削除依頼方法について
それでは、4chanへ削除依頼を送る手順を解説していきます。
定型の手順で投稿が削除できれば、それ以上の揉め事は避けられますので、それに越したことはありませんね。
投稿横の報告フォームから報告
4chanの全ての投稿には、ヘッダーの「名前」「日時」「番号」の並びに「▶」というリンクが存在します。
「▶」をクリックすると更にメニューが表示されますので、一番上の「Report post」をクリックします。
するとポップアップウィンドウで報告フォームが表示されます。
報告フォームは、初期状態で
「This post violates a rule.(この投稿は4chanのルールに違反しています)」
にチェックが入っており、その選択肢にぶら下がる形でプルダウンメニューを選択できます。
- プルダウンメニューで>該当の投稿が4chanの規約のどれに抵触しているかを選択
- 入力作者がロボットではない事を証明するシステムを通過
これで報告が送信されます。
文字の自由入力欄はありません。細かい訴えを送れない反面、英語が苦手でも簡単に利用できる仕組みになっています。
写真の場合は話が早い
報告フォームのプルダウンメニューうち、一番上の「Real Image/not 2D」は「実際の写真」ということです。
4chanはイラストの投稿を想定した画像掲示板であり、写真の投稿はそのまま4chanの規約に違反します。
個人を貶める写真などが投稿されている場合は、これを選んで送るだけで削除依頼が通る可能性が高く、話が早いです。
個人情報が含まれた投稿
画像や投稿本文に自分の個人情報が晒されている場合は、「This post contains personal information (“dox”)」を選んで送ります。
これは「この投稿には個人情報が含まれています」という意味になり、こちらも4chanの規約に明確に違反していますので、報告することで削除の対応を期待できます。
その他の規約違反
その他には、
- 児童ポルノ
- 人種差別
- スパム
- 運営のなりすまし
などの選択肢があります。
アダルト板では、日本でもお馴染みかつ未成年設定のアニメキャラクターのエロ絵なども貼られていますが、特に削除されたり現地で問題になっている様子は見られません。
著作権侵害の主張は難しい
「This post violates a rule.」の下のメニューには、著作権侵害についての選択肢はありません。
仮に自分が描いたイラストや、同人誌を含めた出版物のスキャンが4chanに無断転載されていた場合、「This post violates a rule.」の下にある
「This post violates United States law.(この投稿は米国の法律に違反しています。)」
のチェックが著作権侵害の報告に該当するものと思われます。
しかし、自由入力のメッセージ欄が存在せず、仮に英文が書けたとしてもアメリカの法律に則った訴えをしてゆく必要があり、削除依頼の難易度は一気に跳ね上がるでしょう。
メニューから選べる、別の口実で削除させるように誘導するのも一つの手です。
適当な理由でも削除できる
アメリカでは、
- 削除依頼が来たらとりあえず削除する
- 削除したことに対する異議申し立てが来たら検討する
というプロセスを取りますので、適当な理由を付けて報告するだけでも削除依頼が通る可能性があります。
しかし、いたずらに報告フォームを多用すると、こちら側が制限対象になります。
自分に関わる本当に困った投稿を削除依頼したいときの苦肉の策と考えてください。
報告フォームの連投は制限対象になる
4chanには5ちゃんねるなどにもあるプロバイダ制限に似た機能があり、報告フォームを何度も送る行為も悪質クレーマーとみなされて制限対象になります。
このBanishment(追放)に対する異議申し立てフォームも存在しますが、こうなると4chanの運営サイドとも泥沼の関係になってしまい、記事の削除という本来の目的を達成することは難しくなるでしょう。
報告フォームの使用は、様子を見ながら日を空けて行うようにするのがかえって近道になります。
日本語での対応は期待できない
管理人が日本人のひろゆきになっているとはいえ、4chanは一部のインフォメーションを除いて日本語対応は行っていません。
ひろゆき自身も住居を海外に移すなど脱日本の方針を取っている為、日本人に対して手心を加えることは期待できないでしょう。
また、4chanはアメリカにサーバーを置いていますので、法的な問題はアメリカの法律が適用されます。
報告フォームは選択制なのでさほどの英語力は必要ありません。しかし、それ以上の紛争に発展するなら、言葉の壁は避けて通れなくなります。
4chanがあるアメリカの法制度とは?知っておくと対応しやすい
4chanはアメリカにサーバーを置いています。
ですので、本格的に揉めることになったら英語でのやり取りが必要になりますが、アメリカの法制度は単純に「投稿を削除させる」だけなら訴える側が有利だったりします。
4chanなどアメリカのサイトに削除依頼を行う際には、アメリカの法制度の特徴を押さえておくと良いかもしれません。
アメリカは日本より削除依頼が通りやすい
アメリカでは、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)でプロバイダの責任が制限されています。
削除依頼が来た時にとにかく即座に削除すれば、プロバイダの責任は問われないようになっています。
これをノーティス・アンド・テイク・ダウン(Notice and Take Down)といいます。
日本では削除する作業の腰が重く、十分に確認したり一週間ほど様子を見たりといったタイムラグが多いですが、アメリカはとにかく申請されたらすぐ削除するという法制度であり文化になっています。
4chanの報告フォームが単純明快な作りになっているのには、ここら辺の事情が関わっているようです。
削除された投稿が復活する場合もある
一方で、削除を食らった側の投稿者には「異議申し立てをする権利」というものがあり、削除されたことを不満に思い、4chanに異議申し立てをし、それが認められれば削除された投稿が復活する場合もあります。
悪役にも権利が認められているというのは、何ともアメリカっぽいですね。
4chanにも報告フォームのほかに、異議申し立てフォームが存在します。
ですので、4chanで削除依頼をして一度削除された投稿が、異議申し立てにより復活するということも起こり得ます。
日本人の感覚では、投稿者もBANを食らった時点で諦めるものと思いがちですが、アメリカ人は「俺が正しい」と考えているうちは果敢に挑んできます。
DMCA申請は相手に情報開示される
デジタルミレニアム著作権法(DMCA)で起こした訴えは、訴えた側の個人情報が相手に開示されるという特徴があります。
ただし、4chanの報告フォームの時点では細かい個人情報の入力欄はなく、さすがにアメリカから日本のIPなどを特定して攻めてくることも考えづらいです。
報告フォームから更に踏み込んで、訴訟問題に発展した場合にはこういったリスクも存在するという事です。
弁護士など代理人を立てることで、個人情報が直接渡るリスクを回避できます。
日本の警察では対応できない
日本国内のサイトや、海外発祥でも日本人同士のトラブルであれば、日本の警察を通して誹謗中傷などの捜査をしてもらえます。
しかし、4chanはアメリカのサイトであり、利用者のほとんども日本国外の人物であることが多く、日本の警察では対応できないものと考えましょう。
ただ、大阪府警のホームページでは、ネットの誹謗中傷の事例にFacebookやTwitterと並んで4chanを挙げています。
しかし、該当のページを読み進んでいくと、「外国企業が運営する掲示板やコミュニケーションアプリの場合」という項目があり、
「ホームページ上で発信者情報の開示や削除について説明していることがあります。」
とだけ記載して締めています。
大阪府警においても、4chan上のトラブルは海外での話として丸投げされてしまうものと推察されます。
国際弁護士に相談?泣き寝入り?
4chanの報告フォームで満足な対応が得られなかった場合は訴訟問題に発展しますが、アメリカの司法制度に則った対応になります。
相談する弁護士も語学堪能かつアメリカの司法に対応できる人選となり、当然のごとく莫大な費用を必要とします。
一方で、4chanを日本から利用している人数はそう多くなく、日本国内にいる限りは商売や生活にさほど影響がないかもしれません。
たとえば、見知らぬ国の見知らぬ人物の写真をネットで見かけたとして、何も感じないのではないでしょうか?
泣き寝入りと考えると悔しくなりますが、実害がないならあえて放置するというのも一つの方法です。
まとめ
4chanへの削除依頼方法について調査しました。
削除依頼そのものは簡単にできますので、困ったらまず依頼してみましょう。
かえって日本のサイトよりも優しくできているとさえ感じます。
ネットのトラブルに関しては、アメリカの方が先進国と言えそうです。