5chの嫌儲板とは？まとめへの転載禁止な理由

こんにちは。管理人のけいすけです。

僕は5ch(5ちゃんねる)の嫌儲(けんもう)板が好きでよく閲覧しています。
しかし、知人から「嫌儲板ってなに？」「どういう掲示板なの？」などと質問された際にどう答えたら良いのか悩むことがあります。

5chには嫌儲板以外にも、なんJ板やVIP板など様々な板があります。
「なぜ自分は嫌儲板が好きなのか」「嫌儲板とはどのような板なのか」と改めて考えるようになりました。

そこで、5chの嫌儲板について自分なりに調査してまとめてみました！

神様からアドバイスされた通り、まずは嫌儲板が作られた経緯について調べてみようと思います。
あと、歴史的経緯を調べる中で、嫌儲板がどんな板なのか、まとめサイトへの転載が禁止されている理由についても情報収集できそうです！

記事の中では5chの嫌儲板が作られた経緯や板の特徴・文化・雰囲気、まとめサイトへの転載が禁止されている理由についての情報が盛り沢山です。
5分で読めるので、5chの嫌儲板について知りたい人はぜひ最後まで読んでください。

5chの嫌儲板とは？

5ch(5ちゃんねる)は、インターネット上の巨大掲示板サイトです。
日本語によってコミュニケーションが行われている掲示板サイトとしては世界最大規模です。
5chには様々な「板」が存在しますが、その中でも「ニュース速報(嫌儲)板」(通称「嫌儲板」)は独特な文化・雰囲気を有する板として有名です。

嫌儲板は正式名称から分かるようにニュース系の板です。そのため、日々のニュースに関するスレッドが大量に立てられています。
ただし、必ずしもニュースの話題ばかり議論されているわけではありません。
しばしば、ニュースの内容から脱線し、雑談、ゲーム、アニメ、学問など、ジャンルを問わずに様々な話題について自由に書き込みがされています。

なお、嫌儲板が他のニュース系の板と異なるのは、

という点です。
その基本姿勢・哲学は、「嫌儲」(アフィリエイトで儲けることを嫌う)という板名からも分かります。

嫌儲板の住人は、しばしば「ケンモメン」と呼ばれており、金儲け行為全般を嫌う傾向が見受けられます。
更に、既存の社会体制や権力、資本主義に対して反発する左派的な思想の持ち主が多いことが特徴です。
多くの住人は匿名でコミュニケーションしていますが、まれに固定ハンドルネーム(コテハン)を付けて議論する住人も存在します。

現在の嫌儲板の基本情報をまとめると、以下のようになります。

次の節では、嫌儲板が誕生した経緯について詳しくみていきましょう。

嫌儲板の誕生は2ch時代にまで遡る

嫌儲板の誕生は、5ch(5ちゃんねる)の前身の2ch(2ちゃんねる)時代にまで遡ります。

2007年頃、2chの「ニュース速報板」の書き込みを無断転載(コピー&ペースト)してまとめ、アフィリエイト広告で利益を上げる「2chまとめサイト」が大量に出現するようになっていました。
また、書き込みによってステルスマーケティング(ステマ)を行う業者も存在しました。
当時のニュース速報板の住民の中には、増殖し続ける営利目的のまとめブログやステマ業者を嫌う者が一定数存在しました。

そのような状況の中、2ch管理人であった西村博之は、アフィリエイトによる金儲け行為を嫌う住人を隔離するために、2007年12月28日に「ニュース速報(嫌儲)」という名称の板(通称「嫌儲板」)を新設しました。
なお、比較実験を行うため、書き込み時間の制限などについて、基本的にニュース速報板と同じ設定にされました。

嫌儲板のデフォルトの名前欄表記は「番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です」とされ、明確にまとめサイトへの転載を禁止していることが分かります。
なお、2012年6月4日に2ch運営は、無断転載を禁じる旨の警告をアフィリエイトサイトに対して発しました。

2chから5chに移行後の嫌儲板

嫌儲板の「営利目的で無断転載することを禁じる」という理念を支持する2ちゃんねらーが増えるにつれ、書き込み数も本家のニュース速報板よりも増加していきました。

そんな中、2ch運営の中で内紛が起こり、管理者権限が実質的に西村博之からジム・ワトキンスへ渡るという出来事が2014年2月に発生しました。

2014年3月、実質的管理者となったジム・ワトキンスは、自作自演してまとめサイトへの肯定的意見が多数であるかのように書き込み工作を行うアフィリエイトブログ運営者に対し、「アフィカス」(Afikasu)という蔑称を用いて激しく非難しました。
なお、下記スクリーンショットにおける「Grape Ape ★」がジム・ワトキンスです。

(https://qb5.5ch.net/test/read.cgi/operate/1394956912/934より)

その後、西村博之とジム・ワトキンスの対立が激化していく中、2017年10月にサイト名が「2ちゃんねる」(2ch)から「5ちゃんねる」(5ch)へと変更されました。
「嫌儲板」は、このような状況の変化を乗り越えて現在(2020年5月)に至るまで存続し続けています。

嫌儲板の雰囲気・文化

嫌儲板は、なんでも実況(ジュピター)板(通称「なんJ板」)やニュース速報+板、ニュー速VIP板ほどではありませんが、5chの中では活発に書き込みがされている板です。
平日でも土・日・祝日でも、日中でも夜間でも、年末年始でも常に人がいて様々な話題について議論が行われています。

例えば、2020年5月12日19時前後の書き込み数は、全ての板の中で3位となっています。
なお、以下のスクリーンショットにおける「poverty」が嫌儲板に該当します。

(https://stat.5ch.net/SPARROW/より)

ちなみに、書き込み数1位から6位までの板は、以下のようになります。

なんJやニュース速報+には負けていますが、VIPを上回る書き込み数があり、非常に活発な板であることが分かります。

しばしば、5chは「ネトウヨの巣窟」と指摘されることがあります。
しかし、嫌儲板に限っては逆に「反権力」「反資本主義」「左派思想」的な書き込みが多いように感じられます。

反体制思想が行き過ぎて、あるいは「嫌韓思想」への反発からか、逆に

などと日本人や日本社会を嘲笑し、韓国を賛美するかのようなフレーズも散見されます。
このような独特な雰囲気・文化は、他の板では見られない嫌儲板だけの特徴です。

もう一つ大きな特徴として、「男性差別・女性優遇反対」「反フェミニズム」の主張をする住人が多いことが挙げられます。
時々、その反フェミニズム思想が行き過ぎて、「まーん(笑)」などと女性に対する蔑称を書き込む住人も散見されます。

書き込みの内容から、嫌儲板住人の多くが男性であることが推測されます。
住人は「ケンモメン」(嫌儲の「ケンモ」と男性の「メンズ」の合成語)と呼ばれています。
ただし、少数ではありますが、女性の住人もいて、女性を卑下する書き込みに反発している様子が伺えます。

嫌儲板はニュース系の板なので、毎日の事件・事故に関連したスレッドが殆どであり、政治的な主張が常に書き込まれ、殺伐とした雰囲気に満ち溢れています。
ただし、中には、芸能人の話題、ゲームの話題、人生の悩みなど、必ずしもニュースとは言えないような話題で、政治的主張無しで盛り上がっているスレッドも存在します。

嫌儲板の書き込み内容はまとめサイトへの転載が禁止されている

5chの前身である2chが1999年に開設されて以来、書き込み内容が様々なサイトに無断転載されてきました。
当初は2ch管理人の西村博之がまとめサイトに寛容な姿勢を示しており、事実上、野放しにされているような状況が長らく続いていました。

ところが、2007年頃に、まとめサイトへの無断転載やステマ業者による書き込みが増えるようになって、それらに対する反発がニュース速報板の住民の中で高まり、隔離目的で嫌儲板が新設されることになりました。
西村博之はまとめサイトに寛容な姿勢を示していましたが、嫌儲板だけは例外的に「アフィリエイトサイトへの転載禁止」とされていました。

公式ルールとして明文化

2012年になってから、2ch運営はまとめサイトに対して厳しい見解を示すように変化しつつありました。
なお、当時の2chは、2009年に西村博之が「パケットモンスター社に運営権を譲渡した」と発表して以来、誰が実質的管理者なのか曖昧な状態が続いていました。

2014年2月にジム・ワトキンスが実質的管理者になると、まとめサイトへの無断転載を禁止する姿勢を強く示すようになりました。
その後、「2ch」から「5ch」へのサイト名称変更を経て、2017年11月にルールが改定・明文化され、5ch公式サイトに掲載されました。

2020年5月時点では、以下のような方針に従う場合はまとめサイト作成を認められています。

上記条件に従っている限り、嫌儲板以外の書き込み内容をまとめることは可能と解釈できます。
逆に言えば、嫌儲板における書き込み内容だけは、絶対にまとめサイトへの転載が認められない状態が継続しています。
嫌儲板の独特な地位が再確認されたものといえるでしょう。

嫌儲板住民の反アフィリエイト気質

2007年に嫌儲板が新設された際に移住してきた住民の多くは、元々はニュース速報板の住民でした。
2007年頃のニュース速報板は、書き込み内容が様々なまとめサイトに無断転載されている状態となっており、住民の反感が高まっていました。

そのような状況で「転載禁止」を明確にルール化した「嫌儲板」が作られたため、ニュース速報板から嫌儲板への住人の大移動が発生しました。
このため、設立当初から嫌儲板は反アフィリエイト・反まとめサイト気質な住人が多数を占めていました。

その後、単にアフィリエイト・まとめサイトだけに反感を抱くのではなく、「金儲け一般」「資本主義」に対しても批判的な言論が増えていき、いつしか嫌儲板は、「左派・リベラル思想」「反体制思想」の牙城となるに至りました。

5chの実質的管理者ジム・ワトキンスの嫌儲板への対応

現在の5chの実質的管理者であるジム・ワトキンスは、嫌儲板に関して以下のような対応を行っています。

なお、「I am not Abe」とは、元官僚の古賀茂明が2015年1月13日にテレビ朝日のニュース番組『報道ステーション』に出演した際に安倍政権を批判する意図で掲げたプラカードの文言です。
嫌儲板のリベラル・反権力的な傾向に合わせて、名前欄の表記を変更したものと推測されます。

これらから、ジム・ワトキンスは嫌儲板の文化を高く評価しており、住民の気質に配慮して運営を行っていることが分かります。

まとめ

僕は5chの嫌儲板の独特な雰囲気が好きで、時々閲覧しています。

皆さんは、5chの嫌儲板がどのような板なのか、特徴や雰囲気・文化について理解できましたか？
また、嫌儲板の書き込み内容のまとめサイトへの転載が禁じられている経緯について分かりましたか？

まずは、試しに嫌儲板を閲覧してみてください。政治的な話題が多く、殺伐としたスレッドが殆どですが、たまにほのぼのとした雑談スレも混ざっています。

色々なスレッドを覗いているうちに、自分の興味・関心に合致したスレッドがみつかるかもしれません。