どうもこんにちは、管理人のけいすけです。
バルス東京ではこれまで様々な専ブラ(5ch専用ブラウザ)をご紹介してきましたが、携帯5chブラウザを名乗る「ぬこ」という存在がノーマークでした。
実に10年以上の歴史を持ち、最盛期には5万人が利用していたという大手ブラウザですが、iOSにもAndroidにもアプリストアに存在していません。
「ぬこ」とは一体どのような専ブラなのでしょうか。
ブックマークや閲覧履歴も使えるぞ
ぬこは他の専ブラのようにスマホにダウンロード・インストールする形式ではない、独自の形式を取っています。
気軽に使い始められるので、当記事を参考に使ってみてください。
ぬこの謎や現在を追っていきます。ぜひお読みください。
携帯5chブラウザ「ぬこ」とは?
携帯5chブラウザ「ぬこ」とは、インターネット上で利用できるWebサイトに専ブラのような機能を付加したものです。
元々はモニターの解像度が低いガラケー向けに開発されたサイトで、2011年から存在しています。
パソコンやスマホにインストールして使うアプリ型の専ブラではありませんが、基本的な機能は専ブラと共通していますので、専ブラに慣れている人なら問題なく使いこなせるでしょう。
一時期インストール型のアプリに傾倒していたパソコン・スマホ界隈ですが、近年では一般ブラウザからどこからでもアクセスできるクラウド型のアプリに流行の兆しがあり、時代が一周回ってぬこに追いついてきた感があります。
ガラケーに最適化された5chレイアウト
ぬこは元々はガラケーに最適されたレイアウトで5chが利用できるように、というコンセプトで作られたものと考えられます。
モニターの解像度が低いガラケーでも問題なく表示できるよう、画像を極力排してテキストのみでメニュー周りを構成しているほか、1ページあたりの情報量も意図的に少なくされています。
パソコンやタブレットの大画面に表示すると非常に殺風景なデザインに感じられますが、モニターの小さいスマホで開いてみると一覧性に優れ、現在でも十分に現役で使えるポテンシャルがあります。
基本的にWebサイトを表示できる機器であればどんなものでも使える5chブラウザですので、パソコンやスマホはもちろんテレビ・ゲーム機などのWebサイト閲覧機能のある電子機器の多くから利用できます。
むしろアップグレード対応に取り残されがちな、テレビ・ゲーム機のようなはぐれ者の機器での活用もぬこの強みといえます。
URL:http://n2ch.net/t/-/news/?guid=ON
ブックマークや閲覧履歴も利用できる
ぬこではブックマークや閲覧履歴、表示設定といった個人設定をカスタマイズすることができます。
さらには、浪人やBEといった5chの有料・ログイン型サービスの利用も可能となっています。
専ブラでお馴染みのあぼーん(不快・不要なレスの非表示設定)も利用でき、ぬこを長く使えば使うほど5chの利用が快適になっていきます。
ぬこ上の各種設定のデータは、ぬこを利用するブラウザが生成するCookieという記録ファイルに保存される仕組みを採用しています。
スマホ・パソコンに明るい人にはお馴染みのCookieですが、何かと「トラブル時にはCookieを消してしまえ」とやり玉に挙げられる存在でもあります。
何かのトラブルでCookieが消えてしまう(自分の操作で消してしまう)と、ぬこ上で行った履歴やカスタマイズも全て消失してしまうという点は注意が必要です。
この後で解説する「共有URL」を保存しておくことで、Cookie消失のトラブルを対策できます。
URL:http://n2ch.net/b/-/news/?guid=ON
複数端末で設定共有も可能
ぬこで行った設定変更・閲覧履歴・ブックマークは、複数の端末で共有することもできます。
「栞(ブックマーク)」や「歴(閲覧履歴)」のメニュー内にある「共有URL」をコピーし、共有したい端末からアクセスするという作業のみです。
ここで出てくるのが先述のCookieで、この「共有URL」はCookieのデータを書き換える(共有したい端末で同じCookie情報に書き換える)という動きをするものです。
「共有URL」にアクセスするだけでぬこ上の各種設定へのアクセス権が得られてしまいますので、他人に「共有URL」を知られる(うっかりスクショなので見せてしまう)と、自分の設定を他人に覗き見られてしまいます。
また、内容が空の「共有URL」をぬこの利用者が通りそうな所に仕掛けておき、URLを踏んだ瞬間に今まで積み重ねた設定や履歴をパーにする、というイタズラも過去には存在したようです。
セキュリティの観点ではガバガバ感のある「共有URL」の仕組みですが、ぬこを少しでも簡単・便利なシステムにしたいと考えた製作者の苦肉の策であることが伺えます。
URL:http://n2ch.net/c/-/?m=l&guid=ON
外部板にも対応
ぬこは5ch以外の外部板にも対応しています。
というか、ぬこのトップページに「まちBBS」「したらば」「おーぷん2ちゃんねる」など利用できる掲示板がリストアップされています。
ユーザー側で特に設定をすることなく外部板を利用できますし、複数の掲示板サイトを同時にチェックしたいという目的でぬこを使うというやり方も十分に考えられますね。
「PINK」や「VIP」など、現在では5chのメニューからアクセスできる一部の板も外部板扱いされている点のみ注意が必要です。
2011年時点ではこれらの板が外部扱いであったことの名残で、こればかりは初期からぬこを使っていたユーザーの利便性を考えると動かせなかったのでしょう。
地味なメリット
非常に地味なメリットですが、ぬこには広告が表示されません。
あまり大きな声で言えないポイントですが、これをぬこの最大のメリットと評するユーザーも多いです。
ただ、近年の専ブラ等への広告表示義務化の流れを見ると、近い将来ぬこにも表示される可能性があります。
ぬこは専ブラと呼べるのか問題
さて、ここまでぬこの各特長を挙げてきましたが、ぬこはいわゆるインストール型の専ブラとは似て非なるものということになります。
というか、ぬこ公式そのものが「携帯5chブラウザ」と名乗っており、誰もこれが専ブラとは言っていなかったりします。
しかし、ガラケー時代に誕生し、時代が一周してぬこがクラウド型の先鋭的な専ブラのような存在になってきているという逆転現象があります。
今後、ぬこ自体の再評価や、ぬこの互換となるWeb型の5chブラウザが新たに生まれてくるかもしれませんね。
携帯5chブラウザ「ぬこ」の現在
2011年に誕生し、ガラケー時代に隆盛を誇ったといわれるぬこですが、現在はどうなっているのでしょうか?
サーバー参号機が2019年から稼働
ぬこは順次サーバーを増設してきました。
- 初号機 2011年6月12日
- 弐号機 2012年2月1日
- 参号機 2019年3月17日
意外にも、ガラケー人気が下火になって久しかった2019年にサーバーを追加しています。
初号機の2011年導入を考えるとそろそろ寿命という時期ですので、初号機の入れ替えという意味で参号機を導入したという流れも想像されます。
いずれにせよ、ぬこの運営にはこれからの5年10年も続けてぬこを存続させていこうという気持ちが感じられます。
URL:http://n2ch.net/?server=1&guid=ON
現在でも5万人が利用?
ぬこのアピールとして「毎日5万人が利用」という文言が踊っていますが、実はページビュー数の公表は2016年で止まっています。
2016年12月に月間ページビュー1億5738万、ユーザー数5.25万に至っています。
現在はガラケーの衰退もあってぬこの利用者数は当時よりも減少していると考えられますが、公表されている情報以外でもぬこの注目度を図ることができるものがあります。
URL:http://n2ch.net/?access=1&guid=ON
スマホ時代に入っても現行スレが存続
5ch内での注目度を図る尺度としては、現行スレの盛り上がりがあります。
ぬこの本スレはPart163を数えており(通常の議論と冷やかしコメントが混在しているものの)コンスタントに毎日10件以上の書き込みがあり、決して過疎っているとは言えない存在感を発揮しています。
スレの内容を覗くと、意外なほど現在でもガラケーを愛用している層がおり、ガラケーの中の5ch住民という一見狭い属性が、思いのほか大勢いるということが伺えます。
そう、現在でもガラケーとぬこを愛し続けている大勢の住人がぬこを支えているのです。
URL:https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/chakumelo/1666055391/l50
ゲーム機・テレビなど無視されがちな端末でも使える
ガラケーが下火になっている現在ですが、ぬこのトップページには「携帯・スマホ・iPhone・PC・ゲーム機で利用できる」とキャッチコピーが付いています。
実はインターネット閲覧ができるゲーム機やテレビのブラウザには残念性能のものが多く、パソコンやスマホでは問題のない「最新のWebサイト」が表示できないということがままあります。
また、5chの公式サイトはご存じの通り大量のスレッドがベタ表示される、お世辞にも見やすいとはいえないレイアウトになっています。
そのため、ゲーム機やテレビといったアウトローな機器で5chを使いたい場合、ぬこという選択肢が出てきます。
パソコンでもスマホでもないこれらの機器には専ブラはインストールできないため、ぬこを利用すると便利でしょう。
普通にパソコンやスマホを所有している人でも、それらが故障した時の応急処置として使えますので、覚えておくと良いかもしれません。
携帯5chブラウザ「ぬこ」のアンチ
ファンがいればアンチもいるのが世の常、ぬこのアンチについて見ていきましょう。
ぬこのアンチスレ
未だ勢いのあるぬこ本スレに対し、ぬこのアンチスレも存在します。
【糞】携帯2chブラウザ ぬこ Part〇【重い】
というタイトルで、2022年9月時点でPart3まで続いています。
本スレがPart170に届かんとしているのに対し、非常にスローペースではありますが、Part3については2017年12月に立てられてから2022年まで続いており、定期的な書き込みは続いています。
その内容ですが、ぬこに厳しい意見をぶつけながらも
- エラーで使えない
- 重い
- 今は使えている
など、実際に使用している上での苦言といった形で、アンチというよりは厳しいファンといった方が正確なのかもしれません。
「糞」という厳しい言葉を投げかけながらも、ぬこを愛用している重要なユーザーたちと考えられるでしょう。
URL:https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/chakumelo/1513178492/l50
サーバーダウンは完全に5chに追従
本スレ・アンチスレのいずれでも指摘されているのは、
- ぬこが年々不安定化している
- エラーで見られない板やスレが出てきている
という二点です。
ですが、よくよく調べるとぬこでエラーが出ているときは5ch本体でも同じエラーが出ていたりして、実はぬこ側の責任ではないということがけっこうあります。
また、近年の5chはブラウザ(専ブラ含む)の単位で大規模な規制の巻き込まれが目立っており、たまたまぬこがNG指定されるとぬこユーザー全体に影響が出てしまうというケースも多いでしょう。
他の専ブラ作者の対応を見ても、ぬこ側から5chに規制の解除を求めるのは難しいようですので、これはどちらかというと5ch側の問題と言えるのではないでしょうか。
エラー頻発の板もあり
一方で、ぬこには板全体がエラーで見られないケースも散見されます。
原因が先述の5ch側の問題であれば仕方ないという見方もできますが、長期間に渡ってエラーが続くようなら、ページの先頭に「現在この板は利用できません」くらいの案内はあってもいいのではないかな?とも思います。
実際に板に突撃し、スレにアクセスしてみないと使えるか使えないかが判明しない(しかも他の板は問題なく使えたりする)というのは、利用者にしてみるとなかなかのストレスです。
ぬこ発足当時には乏しい概念だった「見える化」を実施するだけでも、かなり使いやすいブラウザになるのではないかと考えられます。
利用は自己責任で
というわけで、ぬこは概ね便利なブラウザではありますが、一部の板などにエラーが目立ってきているという現実があります。
しかし、不満を口にしながらも愛用し続けているユーザーがいることからも、そのメリットは想像に難くないでしょう。
このスマホ全盛の時代にぜひメイン利用を!と強くはおすすめできないものの、出先や借り物の端末で5chを見るのに便利なサイトであることは確かです。
自己責任の範疇にはなりますが、一度お試ししてみてはいかがでしょうか?
まとめ
携帯5chブラウザ「ぬこ」についてまとめました。
スマホにインストールする専ブラとは異なる存在ですが、だからこそ「ガラケー時代の遺物」と片付けるにはちょっと勿体ないポテンシャルを持つサイトです。
ちょっと昔に流行った「レガシー(遺産)」という言葉がありますが、ぬこもまたガラケー時代から連なり未来の5ch住人に受け渡せるレガシー…かもしれません。