こんにちは。管理人のけいすけです。
僕は5ch(5ちゃんねる)が好きで、よく閲覧しています。
ところで、最近、友人から「何故、5chは複数のサブドメインで運営しているのか?」と質問されました。
今まであまり気にしたことがありませんでしたが、友人から質問されたことをきっかけに、5chが複数のサブドメインで運営している理由について調査し、まとめてみることにしました!
神様に言われた通り、まずはウェブサイトのURLやドメイン名の仕組みについて調査し、それから5chが運用しているサーバーとサブドメインの対応関係を調べようと思います。
これらの情報を収集していく中で、5chが複数のサブドメインで運営されている理由についてまとめることができそうです!
記事の中では、ウェブサイトのURLやドメイン名といったインターネットの基本的な仕組みから、5chが運用しているサーバーとサブドメインとの対応関係に至るまで、情報が盛り沢山です。
5分で読めるので、5chが複数のサブドメインで運営されている理由について詳しく知りたい人はぜひ最後まで読んでみてください。
ウェブサイトのURLの基本的な仕組み
5chが複数のサブドメインを使用していることについて説明する前に、まずインターネット上のウェブサイトのURLについて基本的な仕組みを解説いたします。
URLとドメイン名
URLとは、「Uniform Resource Locator」の略称であり、ウェブサイトがインターネット上のどこに存在するかを示す住所のような役割を果たす文字列です。
日本語では「統一資源位置指定子」と呼称されることもあります。
例えば、「5ちゃんねる」(5ch)というウェブサイトのトップページ(メインページ)のURLは、「https://www.5ch.net」です。
普段使っているブラウザ(Google ChromeやMozilla Firefoxなど)のアドレス欄にURLを打ち込めば、サイトにアクセスできます。
ちなみに、URLは
- 「スキーム」
- 「ドメイン名」
の二つに分けられます。
5chのURLを例に説明すると、「https://」がスキームに該当し、「HTTPS」(Hypertext Transfer Protocol Secure) という通信プロトコルを使用すべきであることを示します。
「www.5ch.net」は、ドメイン名に該当し、IPアドレスが割り当てられています。
ホスト名は、さらに細かく
- 「ドメイン」
- 「サブドメイン」
の二つに区分できます。
「5ch.net」という部分がドメイン、「www」という部分がサブドメインに該当します。
実は、5chでは「www」以外にも多数のサブドメインが利用されています。
次の節では、URLにおけるサブドメインおよびサブディレクトリという概念について説明いたします。
サブドメインとサブディレクトリ
ドメイン名は、「.」(ピリオドまたはドット)で区切ることにより、目的に応じて様々なサブドメインを使用できます。
例えば、大手ポータルサイトの「Yahoo!JAPAN」では、以下のように目的別にサブドメインで区別されています。
・「Yahoo!JAPAN」
https://www.yahoo.co.jp/
・「Yahoo!ショッピング」
https://shopping.yahoo.co.jp/
・「ヤフオク!」
https://auctions.yahoo.co.jp/
・「Yahoo!ニュース」
https://news.yahoo.co.jp/
上記URLにおいて、「yahoo.co.jp」の左側の文字列(「www」や「shopping」「auctions」「news」)がサブドメインに該当します。
5chでもYahoo!JAPANと同様に様々なサブドメインが使用されています。
5chの板一覧は、下記URLから閲覧できます。
「5ちゃんねる掲示板リスト」
https://menu.5ch.net/bbstable.html
これらの板の中から、書き込み数が多い板のトップページのURLをいくつか示します。
・「なんでも実況(ジュピター)板」
https://swallow.5ch.net/livejupiter/
・「番組ch(NHK)板」
https://nhk2.5ch.net/livenhk/
・「YouTube板」
https://egg.5ch.net/streaming/
・「ニュー速VIP板」
https://hebi.5ch.net/news4vip/
・「ニュー速(嫌儲)板」
https://leia.5ch.net/poverty/
上記URLにおいて、「5ch.net」の左側の文字列(「swallow」や「nhk2」「egg」「hebi」「leia」)がサブドメインに該当します。
なお、「5ch.net」の右側の「/」(スラッシュ)に続けて
- 「livejupiter」
- 「livenhk」
- 「streaming」
- 「news4vip」
- 「poverty」
といった文字列が存在しますが、これは「サブディレクトリ」と呼ばれます。
サブディレクトリも、サブドメインと同様に目的に応じて使い分けることが可能です。
5chではサブドメインとサブディレクトリの両方が使用されている
前節で見てきたように、5chのURLはサブドメインとサブディレクトリの両方が使われています。
5chでは、複数の板に同じサブドメインを割り当てて、サブディレクトリで各板を区別しているケースがあります。
例えば、「nhk2」というサブドメインが割り当てられているURL群には、以下のようなサブディレクトリで区別された板が存在します。
・「番組ch(NHK)板」
https://nhk2.5ch.net/livenhk/
・「実況(NHK教育)板」
https://nhk2.5ch.net/liveetv/
・「BS実況ch(NHK)板」
https://nhk2.5ch.net/livebs/
・「NHK板」
https://nhk2.5ch.net/nhk/
サブドメインの「nhk2」で大まかに「NHK」というカテゴリーに対応し、サブディレクトリで
- 「NHK総合の番組実況」(livelink)
- 「NHK教育(ETV)の番組実況」(livetv)
- 「BSの番組実況」(livebs)
- 「実況以外のNHK関連の話題」(nhk)
といった細かい分類に対応していることが分かります。
5chが複数のサブドメインで運営されている理由
前節まで、URLやドメイン名、サブドメイン、サブディレクトリについて解説してきました。
ここからは、5chが複数のサブドメインを使って運営されている理由について説明していきます。
5chが運用しているサーバーとサブドメインの対応関係
5chの板別の書き込み数をランキング形式で表示している「SPARROW AIM-7P Ver.1.00」(https://stat.5ch.net/SPARROW)を参考にして、5chの各板の管理・運用で使用されているサーバー群を挙げると、以下のようになります。
- swallow
- egg
- matsuri
- himawari
- hayabusa9
- hebi
- rosie
- tanuki
- leia
- lavender
- nhk2
- asahi
- medaka
- mevius
- krsw
- fate
- mao
- rio2016
- agree
- qb5
これらのサーバー名は、サブドメインの文字列と一致しています。
例えば、「なんでも実況(ジュピター)板」(https://swallow.5ch.net/livejupiter)のサブドメイン(swallow)を見れば、「swallowサーバー」が使用されていることが分かります。
なお、5chでは、必ずしも1つのサーバーに1つの板が対応しているわけではありません。
1つのサーバーで複数の板が管理されているケースが殆どです。
例えば、「nhk2サーバー」では、
- 「番組ch(NHK)板」
- 「実況(NHK教育)板」
- 「BS実況ch(NHK)板」
- 「NHK板」
といった板が管理されており、それぞれサブディレクトリで区別されています。
サブドメインを利用するメリットとデメリット
サブドメインの利用にはメリットとデメリットが存在します。
サブドメインを利用するメリット
まず、サブドメインを利用するメリットですが、目的別に複数のサブドメインを使い分けることにより、負荷を分散することが可能になる点が挙げられます。
5chのような大規模掲示板サイトでは、毎日、多数のアクセスが発生します。
これを単一のサーバーで処理することは不可能ですが、複数のサーバーを導入し、各サーバーに対して、管理するサブドメインを割り当てれば、大量のアクセスを捌くことが可能になります。
なお、サブドメインを使えば、サブディレクトリに比べて、別のサーバーに移行する作業が容易であるというメリットもあります。
サブディレクトリでも別のサーバーへ移行する作業は可能ですが、設定が煩雑になってしまいます。
サブドメインを利用するデメリット
ところで、サブドメインの利用にはデメリットも存在します。
それは、「SSLサーバー証明書」をサブドメインの個数分、発行してもらう必要があるという点です。
中には、サブドメインまで含めて証明書を発行するサービスも存在しますが、通常よりも高価になってしまいます。
5chは、URLが「https://」から始まっており、HTTPSという通信プロトコルで接続する仕組みになっています。
HTTPSでは、SSL(Secure Sockets Layer)という暗号化技術が用いられます。
このSSLを使用する際にSSLサーバー証明書が必要となり、費用が発生します。
なお、SSL証明書には有効期限(現在は、最長で2年とされている)が存在するため、サイトを運用している限り、定期的に更新し続けなければなりません。
5ch運営はメリットがデメリットを上回ると判断している
5ch運営としては「メリットがデメリットを上回る」と判断しているからこそ、サブドメインを使ってウェブサイトの管理・運営を行っているのでしょう。
前の節で説明した通り、5chはHTTPSに対応しています。
なお、2020年7月20日現在、5chにSSL証明書を発行している組織は
「CloudFlare, Inc.(コンテンツデリバリーネットワークやインターネットセキュリティサービス)」
⇒分散型ドメイン名サーバシステムなどを提供するIT企業
となっています。
なお、CloudFlareでは複数のプランが提供されていますが、5ch運営がどのような料金体系で契約を結んでいるのかは不明です。
コストがどの程度発生しているのかは公表されていないので分かりませんが、いずれにせよ、5ch運営は「サーバー移行の容易さ」といったメリットを重視し、複数のサブドメインを使って巨大掲示板サイトの運営を行っていると推察されます。
まとめ
皆さんは、5chが複数のサブドメインで運営されている理由について分かりましたか?
僕は5chが好きで、ほぼ毎日、閲覧しています。
板やスレッドを閲覧するだけであれば、サブドメインやサーバーについて知る必要はありません。
しかし、5chはサーバーに障害が起こってアクセスできなくなる事態が稀に発生します。
仕組みを全く理解しないままアクセス不能な状況が続くと不安になるものです。
予め運営体制を把握しておけば、イレギュラーな事態が発生しても冷静に復旧を待つことが可能になります。
この機会に、単にスレッドを閲覧するだけではなく、5chの運営体制にも関心を持ってみてはいかがでしょうか。
本記事が、どうして5chが複数のサブドメインで運営されているのか知りたい方のお役に立つことができれば幸いです。