まとめ

ネイバーまとめが閉鎖!なぜこのタイミング?

こんにちは、管理人のけいすけです。
7月に入ってすぐにネットで騒がれたニュースとして大手まとめサイト「ネイバーまとめ」の閉鎖発表がありました。

検索上位にも良く出てくるサイトですので、誰もが一度は目にしたことがあると思います。

そんな大手サイトが突然のサービス終了、しかもなぜこのタイミングで?

これは調べてみるしかないですね。

けいすけ
けいすけ
ネイバーまとめほどの大きいサイトが閉鎖なんてびっくりだよ。
神様
神様
神様は知っておったがの。
けいすけ
けいすけ
何で教えてくれなかったんだよ。
神様
神様
どちらにせよ閉鎖するものは止められんし、大手がいつまでも安泰ではないのがネットの世界じゃ。ネイバーまとめの閉鎖を調べてみると理解できるかもしれんぞ。

ネイバーまとめという大手サイトの閉鎖は大きいニュースですが、この現象こそがネットの世界というものの本質に迫れる話題なのかもしれません。

ネイバーまとめが閉鎖することになった経緯と情勢について解説していきます。

利用していた人が思い出を噛みしめるも良しですが、ネットで一儲けしようと考えている人にとっても他人事ではない話題になっています。

ぜひ読んでみてください。

そもそもネイバーまとめってどんなサイト?

ネイバー(NAVER)まとめは、CGM型Webキュレーションサービスです。

CGMとはConsumer Generated Media(コンシューマー・ジェネレイティッド・メディア)の略で、本来は消費者である読み手が、生産者である書き手も兼ねるメディアのことです。

キュレーションサービスとはまとめサイトを英語に直しただけの言葉で、提供する側の企業がイメージをマイルドにする為に使う言い回しです。

要するに、素人が書いているまとめサイトということになります。

ネイバーまとめの運営者

ネイバーまとめの運営者は、韓国のIT企業ネイバーの子会社であるLINE株式会社の、更に子会社の「ネクストライブラリ」です。

サービス名は親会社の名前を冠していますが、実質の運営はLINEの日本法人関係者が担当しているんですね。

IT大手のネイバーおよびLINEが運営していることで、ネット上での商法や宣伝広告の戦略が抜きん出たサイトとして成長した半面、中韓発祥かつIT企業にありがちな社会常識の欠如が見られたり、モラルに欠けた運営も目立ちます。

また、ネイバーまとめは著作権という法に触れる問題を恒常的に抱えたサイトでもありました。

ネイバーまとめの特徴

まとめサイトとしての特徴・問題点は他サイトとあまり変わりませんが、ネイバーまとめの特徴的な点として「検索エンジン最適化に強い」という点が大きく、検索エンジンの検索結果の上位に表示される傾向があります。

内容としては、

  • 特定のテーマに絞ったリンク集
  • 画像集
  • 雑学集
  • 名言集
  • ゴシップやニュース
  • 他の掲示板のまとめ

など多岐に渡っており、見方によっては節操がないとも言えます。

先の検索上位に入りやすいという特徴とも合わせて、何かを検索するとトップにネイバーまとめの記事が出てくるという状況も多々あります。

ネイバーまとめで小遣い稼ぎも可能だった

ネイバーまとめは2010年11月から、まとめページへのアクセス数に対して作成者にインセンティブ(報酬)を支払う制度を開始しました。

作成したまとめのアクセス数が伸びることで、作成したユーザーが収入を得ることができるため、まとめの作成数が飛躍的に伸びていきました。

半面、中身のない記事の分量も増えていきました。

それでも特定の事象についての質の良いまとめは、ツイッター等の他のSNSで参考記事として紹介される場面もままありました。

ネイバーまとめが閉鎖

ここからは、そんなネイバーまとめの閉鎖(サービス終了)について、状況や考えられられる原因についてまとめていきます。

ネイバーまとめは2020年9月30日にサービス終了

運営者のネクストライブラリが2020年7月1日に公式ブログ上で発表を行い、2020年9月30日のネイバーまとめサービス終了が案内されました。

サービス終了の理由については

「サービス環境・市場環境の変化による単独サービスとしての今後の成長性や、LINEグループ全体での選択と集中の観点などをふまえて検討した結果、今回の決断に至りました」

と説明しています。

また、「簡潔に情報を集約して伝える『まとめ』そのものの価値は、日々増え続ける情報環境においてますます重要になってくると考えております」との認識も示し、ネイバーまとめで培ったノウハウは、LINEが新規参入を目指している検索事業に生かすとしています。

9月以降はすべてのまとめ記事が非表示になります。

ネイバーまとめが抱えていた諸問題

ネイバーまとめでは、他人の著作物を盗用した「まとめ」の存在がかねてから指摘されていました。

2011年にはまとめに動画の違法アップロードがなされた事を理由として、Google AdSenseの配信が停止される事態にもなりました。

また、LINEのアプリ内ニュースに記事を配信する著作者などもネイバーのまとめからの盗用に悩まされ、

  • 永江一石氏がLINEへの記事の提供を停止すると宣言する
  • 著作権侵害にあった写真家の有賀正博氏が「広告配信サービス会社はネイバーまとめへの広告配信を停止せよ」とネット署名を行い多くの賛同者を得る

など、名指しの批判も高まっていきました。

また、著作物を盗用された権利者が「まとめ」の削除を要請したところ、該当ページに「NAVERまとめへの転載を禁止する」旨の文言を掲載することを求められたため、削除要請を断念したという事例が紹介され炎上する事態に。

アメリカ系のIT企業はこういった「訴える側が動け」という態度を取ることが多いですが、その真似をして下手を打った格好です。

こういったネイバーまとめ側の対応は「法的には問題がない」事は確かで、著作権侵害についてもまとめを作成したユーザーに責任があるという法解釈になります。

しかし、こういった抗弁はリアル社会、特に「責任を取らない」「謝らない」態度を嫌う日本では受け入れ難く、「これだから韓国は」「IT企業は常識がない」と火に油を注ぐ結果になります。

このことは理屈で語りがちなIT業界関係者は肝に銘じるべきでしょう。

こういった外部からの批判に対し、ネイバーまとめ側も記事の審査制度未チェック記事の非表示化などの対策を行っていきました。

しかしこれらは対処療法に過ぎず、CGM型まとめサイトの構造上の問題が解決されたわけではないという状況のまま、今日に至ります。

批判を封殺してまた炎上

2016年から2017年にかけて、生物学研究者の堀川大樹氏がネイバーまとめを批判する「まとめ」を投稿。

ところが、ページを検索結果から除外する効果があるnoindexメタタグが無断で付加されたと訴え、LINEに批判が集まる事態となりました。

LINEは、同社のサービスを批判したことを理由にそのような措置を行うことはなく、スパムや形式上の品質が不十分な「まとめ」に対する機械的な処理が適用された結果であると反論しました。

しかし、兼ねてからヘイトを集めながらものらりくらりと批判をかわしていた態度が仇となり「他人の権利侵害は対応しないのに自分への批判は高速対応だな」という見方が大勢を占めました。

まとめサイト全体の評判が下がる

まとめサイトをめぐっては2016年、DeNAが運営していた健康・医療情報サイト「WELQ」(すでに閉鎖)の情報精度や著作権対応が問題となりました。

WELQについては、治療法という実際の健康被害に繋がる情報について、素人が大して調べもしないで書いたまとめが、あたかも新聞記事のようなレイアウトと扱いで掲載されたことが問題視されました。

そのWELQの事件からまとめサイトという存在そのものへの世間の目も厳しくなっていきました。

それに付随し、兼ねてからの問題点であった著作権侵害と、場を提供する企業側の責任についても追及されるようになっていきました。

集金システムとしての旨みに対し、炎上や批判のデメリットが重くなっていったということでしょうか。

このような状況を受け、これ以降の数年間で、まとめサイト(企業の言うキュレーションサイト)事業からの各社の撤退が目立つようになっていきました。

ネイバーまとめの閉鎖も、そういった業界の流れの一環であるとも考えられます。

ネイバーまとめの評判

閉鎖の一報が入ってから、ツイッターをはじめとするSNSではこの話題で騒ぎになり、トレンドワードに入るなどの影響力を見せました。

改めて表面化したネイバーまとめの評判を「まとめて」いきます。

50%がポジティブ反応

あるSNS分析ツールの結果では、半数の50%がネイバーまとめに対してポジティブ反応を示しているとされます。

閉鎖のニュースに対しては、

  • 「好きだったのに」
  • 「俗っぽい内容だけだけど、Wikipedia並みに便利」

といった声が聞かれました。

信ぴょう性の低さを承知で読み物として楽しむ分には優良なサイトだという評価です。

また、思い出を振り返る投稿も多く見られ、

  • 「面白コピペとか意味が分かると怖い話とか読みまくってたなぁ」
  • 「雑貨系のまとめ、好きだった」
  • 「100均やコスメやハンドメイドのまとめ見るの好きなのに」

などといった意見もあります。

まとめサイト最大手として一時代を築いた事実は伊達ではなく、一部の世代にとっては青春時代の思い出にすらなっているようです。

良くない印象を抱く人も多数

一方で

  • 「他人のコンテンツをパクって『まとめ』と称してた」
  • 「他人の情報をとって儲ける商売として出てきた印象で、それに潰された人もいたし、良い印象なかった」

など、厳しい声も見られました。

先にも指摘した

  • 著作権侵害の問題が解決されないまま長年運営されてきたこと
  • 問い合わせへの対応が杓子定規であったこと
  • モラルを軽んじた開き直りが悪印象であったこと

から、最後までネガティブ評価が覆らなかったネットユーザーも少なくありません。

検索上位がとにかくウザかったという声

ネイバーまとめの特徴でもあった「検索エンジン最適化」ですが、これによって質の悪いまとめが様々なキーワードの検索上位に入ってしまったことから、ネイバーまとめそのものを「ネットのうんこ」と考えるネットユーザーも多かったようです。

  • 「内心喜んでいる人も結構いるのでは。検索上位汚染的な話で」
  • 「これで検索結果が浄化されると歓迎する声が多い」

などの声があります。

検索結果の質については検索エンジン側の管理責任でもあります。

Googleは検索アルゴリズムの見直しを度々行っており、「人の目」から見た優良情報の選別にどんどん近づいています。

また、2010年代に記事の内容を二の次にした小手先のSEO対策テクニックばかりが横行していたことは、まとめサイトだけの問題ではありません。

しかし、ネイバーまとめがあまりに質が悪く、あまりにウザかったのは多くの人の忌憚なき意見です。

中には、

  • 「著作権問題は分かる。でもなくなるのはちょっと残念」
  • 「検索妨害みたいで好きじゃなかったけど、ひどいメディアがあふれたせいで相対的に嫌いじゃなかった」
  • 「1割ぐらいはどこにも引けを取らないまとめあるから、そういうのが消えるのは残念」

など、問題を認識しながらも、一部の良作まとめを評価する声もあります。

大量のうんこの中に、きらりと光る宝石が埋まっている」というのは、ネイバーまとめにも、インターネット全般にも言えることです。

まとめ

ネイバーまとめの閉鎖について調べてきました。

閉鎖の事情については、まとめサイトというパッケージに対する世間の風当りに加え、検索上位からの陥落など、事業としての旨みの低下も追い打ちをかけたと見る向きがあります。

運営を行うLINEグループはLINE Pay事業の赤字なども重なり、余計な仕事にリソースを使っている場合じゃないという事情もあるようです。

情報過多の現代では、森羅万象に「薄く広く」首を突っ込むようなキュレーション(まとめ)は読み手としても二度手間でしかなく、数打つために質が落ちるならお呼びではないという事に世の中の人が気付いてしまいました。

今後はある意味で昔返りし、ある一点を「狭く深く」掘り下げて知ることができるマニア的なサイトが日の目を見るのかもしれませんね。

例えば、「バルス東京」のような。