ホスラブ(ホストラブ)は、ホストクラブを中心にキャバクラやガールズバーなどへの書き込みをメインに取り扱うネット掲示板です。
全国どこの地域に関する情報でも掲載されているため、お店を探したり目当てのホストを探したりするときにも便利なサイトとなっています。
しかし、そんなホスラブでは誹謗中傷コメントや悪質な書き込みなどもよく見かけられます。
中には個人情報を特定した書き込みや悪意のある画像の投稿などもあり、投稿された側が精神を病んでしまったりお店を辞めたりするケースも少なくありません。
そこで、ここでは「ホスラブにて誹謗中傷を受けた際にはどうしたらいいのか?」という疑問を基にしながら、投稿した相手を特定して裁判を起こすための手立てである「発信者情報開示請求」についてご紹介していきたいと思います。
この記事ではホスラブに事実無根のコメントを書かれたり、悪質な誹謗中傷を受けたりしたという方に向けて、その対処法を一からご紹介していきます。
特に投稿した相手を特定するための「発信者情報開示請求」というのは重要なポイントですので、ぜひその詳しい内容を確認していってください。

ホスラブって何?発信者情報開示請求とは?
まずは
- ホスラブがどういったサイトなのか?
また、
- 発信者情報開示請求とは何なのか?
という基本的な部分から説明をしていきたいと思います。
ホスラブとは「夜仕事のネット掲示板」
ホスラブというのは夜の仕事、つまり水商売全般に関する投稿を取り扱っているネット掲示板です。
運営初期のころはホストクラブの情報のみ取り扱っていましたが、最近ではキャバクラやガールズバーといった女性が働くお店も投稿の対象となっています。
なお、もともとホスラブは色々な地域にあるお店の有益な情報をまとめる役割を持っていましたが、近年では個人に対する誹謗中傷や悪意のあるコメントというのも非常に増えてきました。
そのため、悪口を書き込まれたホスト側は投稿を削除したり、相手を特定して訴訟を起こしたりすることも多くなってきたというわけですね。
そして、その相手を特定して裁判を起こすために必要な準備というのが「発信者情報開示請求」です。
発信者情報開示請求とは訴訟を起こすための準備
発信者情報開示請求というのは、
ホスラブおよびネットプロバイダに対して、書き込みをおこなった人物の情報を求める請求行為のこと
です。
なお、この個人情報を求める「請求行為」は国民に等しく与えられた権利ですので、誰であっても情報開示請求の申し立てをおこなうことが出来ます。
ちなみに現在の法律では、正当な理由によって申し立てがおこなわれた場合、サイト側やプロバイダ会社はその情報をすみやかに受け渡さなければいけないようになっています。
しかし、やはり個人からの申し立てですぐに情報が受け渡されるというケースは稀です。

そこで、大半の場合は弁護士に相談をし、裁判所を通じて「発信者情報開示請求」の申し立てをおこなうことになります。
この発信者情報開示請求の仕方をこの後に詳しく見ていくのですが、発信者情報開示請求が認められるケースというのも事前に知っておかなければいけません。
というのも、プロバイダが個人情報を開示するには相当な法的根拠とそれを確かめる証拠が必要となります。
そこで、ホスラブにおいてはどういった書き込みがされたら発信者情報開示請求まで持っていくべきかを次に見ていきたいと思います。

ホスラブで発信情報開示請求が認められる投稿について
ホスラブでは実に様々な書き込みが見られますが、発信者情報開示請求にまでいくような悪質な書き込みというのは以下に抵触するものとされています。
- 個人の本名や住所、電話番号を本人の許可なく掲載した場合
- 第三者(店舗を含む)の持つ財産・肖像権を侵害する行為
- 事実確認が出来ないようなプライバシー情報(私生活における情報)の投稿
- 人種差別に繋がるような書き込み
- 虚偽の情報の書き込み、またその情報を故意に拡散させる行為
- 不特定多数の人間が見る場所で、相手を誹謗中傷し名誉棄損に該当するような行為
上記に該当する書き込みや行為はどれも法律に触れるものとなります。
そのため、裁判所を通して申し立てをおこなえば、相手を訴えることが可能です。
ここでホスラブへ実際に書き込まれている該当例をいくつか見てみましょう。
- 〇〇(個人名または源氏名)は枕営業をして売り上げを立てている(事実確認が取れないプライバシー情報)
- 〇〇(個人名または源氏名)は整形をしていて、整形前の顔はこれだ(画像をアップした場合は肖像権の侵害)
- 〇〇(個人名または源氏名)の親は△△(他国)出身で、〇〇は汚い血をひくホストだ(人種差別に繋がる誹謗中傷)
こうした書き込みはどれも法律的にもNGなものとなっていますので、コメントの削除および投稿者の特定をおこなうことが可能です。
ということで、実際にこうした誹謗中傷被害に遭ってしまった際の対処法を、順序だてながら解説していきたいと思います。
ホスラブに悪質な投稿をされたら?削除~発信者情報開示請求までの流れ
ここからはホスラブ上で何かしらの被害に遭ってしまった際の対処方法を見ていきます。
最終的には発信者情報開示請求をおこない相手を特定して裁判まで持っていくのですが、おおまかなステップは以下の通りです。
- ホスラブに対して削除依頼を出す
- 弁護士へ相談をする
- ホスラブへIPアドレスの開示請求をおこなう
- プロバイダへ発信者情報開示請求をおこなう
- 投稿相手に対して訴訟を起こす
相手を特定する発信者情報開示請求をおこなうまでには、いくつかのステップがあります。
そこで、まずは一からそのやり方というのを見ていきましょう。
①ホスラブに対して削除依頼を出す
ホスラブに悪質な誹謗中傷を書き込まれたら、まずはその該当コメントを削除するようホスラブへ依頼します。
悪質なコメントでも軽度のものであればこの対処だけで事を終わらすことが出来ますのでぜひやってみてください。
なお、ホスラブの削除依頼フォームは以下からアクセスできます。
ホスラブの削除依頼フォーム
https://kanto.hostlove.com/agree/delete/form
しかし、ホスラブへ書き込まれる誹謗中傷の中には、ひとつだけでなく複数、しかもお店や個人名までが出されるケースも少なくありません。
こうなってしまうと個人では対処がしきれなくなってしまいますので、弁護士へ相談することをおすすめします。
②弁護士へ相談をする
コメントの削除依頼だけでは問題の収束に不十分だと感じたら、迷わず弁護士へ相談するようにしましょう。
弁護士事務所の中には相談無料というところもあります。
また、自分が受けたケースがどういった法律違反に抵触するのか理解するというのも大事なことです。
弁護士へ相談をした上で、相手を特定して裁判を起こすのであればホスラブとプロバイダに対して発信者情報開示請求をおこなっていきます。
③ホスラブへIPアドレスの開示請求をおこなう
投稿した相手を突き止めるためには、
- 誹謗中傷を書き込んだ相手のIPアドレスをホスラブに教えてもらう
- 教えてもらったIPアドレスから分かる、相手が利用するプロバイダに個人情報を開示してもらう
という2つのステップが必要です。
そのため、まずはホスラブに対してIPアドレスの開示請求をおこないます。
こちらに関しては、あまりにも悪質であれば弁護士や裁判所を通さなくても個人で請求をおこなうことが可能です。
ただし、最初からすべて弁護士に任せた方が楽でありスピーディーであると言えますので、なるべく弁護士の方にお願いするようにしましょう。
(費用に関しては訴訟後の損害賠償金で相殺することも出来る)

なお、ホスラブへIPアドレスの開示を求める際には必ず「証拠」が必要です。
自分が誹謗中傷を受けたと感じる、また実際に個人名やプライバシー情報を勝手に投稿された画面を写真やスクリーンショットにして残しておきましょう。
また、
- 誹謗中傷を受けたスレッドのURL
- レス番号(複数であればすべて)
- 書き込みの日時
上記のような情報も必要となりますので、そちらも証拠として残しておいてください。
なお、ネット掲示板のログというのは時間が経つとなくなってしまいます。
そのため、訴えを起こすならとにかく早くというのが鉄則です。
そして、こうした証拠を弁護士へ提出した上で、ホスラブに対してIPアドレスの開示請求をおこなえば高い確率でホスラブが応じてくれます。
IPアドレスが分かると相手が利用しているプロバイダ会社が分かるので、次にプロバイダに対して発信者情報開示請求をおこなっていきます。
④プロバイダへ発信者情報開示請求をおこなう
通常、プロバイダというのは個人情報を守る観点から容易に情報を開示することはありません。
そのため、個人での申し立てにはほとんど答えてくれないというのが現状です。
こうしたこともあり最初から弁護士に頼んでおいた方がスムーズと言えるわけですね。
弁護士に頼んだ場合、だいたいは裁判所を通して訴訟の仮処分申し立てがおこなわれ、そこからプロバイダに対して情報開示命令を出してもらいます。
法律上では裁判所から開示命令を受けたプロバイダは必ず情報を明け渡さなければいけないので、確実に投稿相手を特定することが出来ます。
そして、この段階で投稿相手が分かったら訴訟を起こしていくというわけですね。
ただし、ホスラブでの誹謗中傷というのは近しい人物が犯人であることも多いです。
そのため、裁判で決着を付けるのか示談で話をまとめるのかは個人の判断となります。
⑤投稿相手に対して訴訟を起こす
相手に対して示談ではなく、裁判を通して損害賠償請求・慰謝料の請求をおこないたいというのであれば訴訟を起こすことになります。
もちろんこの訴訟の手続きも弁護士がやってくれるので、基本的に自分で動くことというのはほとんどありません。
あとはこちら側が求める請求内容に相手が納得するかどうかだけです。

とは言え、ネット上での誹謗中傷が原因で裁判まで流れた場合、訴えが棄却される可能性というのは限りなく低いと言えます。
なぜならプロバイダに対して発信者情報開示請求がおこなわれ、それが認められた時点で相手側が法律に違反している可能性が著しく高いからです。
こうしたことを考えても、訴えた側の請求金額が法外な金額でなければそのまま受け入れられるケースが多いと言えるでしょう。
なお、ここまでがホスラブに悪質なコメントや情報をアップされた方が裁判までを起こす流れとなります。
最後に発信者情報開示請求~裁判までにおける注意点をご紹介していきますので、そちらもご覧になっておいてください。
ホスラブへの発信者情報開示請求をする際の注意点
ホスラブで誹謗中傷を受けた方が発信者情報開示請求をおこなう際、気を付けるべき主な注意点がこちらです。
必ず証拠を残しておく
発信者情報開示請求をおこなうためには必ず証拠が必要です。
また、その証拠がどういった法律に違反しているのかも理解しておかなければいけません。
というのも、まず証拠がなければ確実に発信者情報開示請求というのは認められません。
もちろん弁護士に頼ったところでも、証拠がなければ弁護士サイドは受け付けてくれないでしょう。
そのため、誹謗中傷や個人情報の流布がされた場合はしっかりと証拠を残しておかなければならないのです。
感情的な反論コメントは発信しない
発信者情報開示請求からの裁判までを起こそうと思ったら、こちらが不利になるような行為は慎むようにしましょう。
たとえばホスラブ上で個人情報を晒されたとしても、その書き込みに対して感情的な反論コメントをしてしまうとログが残ります。
こうなると裁判をした際に心証が悪くなってしまい、訴えが通らなくなることも考えられるわけです。
そのため、悪質な書き込みに対しては冷静な対応を心掛けるようにしてください。
総括
ホスラブにて誹謗中傷を受けた際の対処法についてご紹介してきました。
本文中でも触れましたが、発信者情報開示請求というのは誰もが持っている権利のひとつです。
そのため、正当な理由さえあれば弁護士を通じて訴えを起こすことが出来ます。
ただし、その際には証拠と冷静な対応というのが必要となってきますので、悪意のあるコメントを見つけたとしてもまずは一度落ち着くようにしましょう。