どうもこんにちは、管理人のけいすけです。
スマホ全盛時代のブログでは、スマホ向け専ブラ(5ch専用ブラウザ)のご紹介がどうしても多くなってしまいますが、パソコン向けの専ブラももちろんあります。
むしろ5chや専ブラの歴史はパソコンから始まっていますので、長年親しまれている定番専ブラも多数存在しています。
今回は改めてPC閲覧時に快適でおすすめな専ブラをご紹介していきます。
ネット検索ではパソコン用の専ブラは大量に見つかるものの、その多くはスマホが主流になる以前の時代で更新が止まっています。
アップデートが止まっている専ブラも使えなくはありませんが、日々行われる5chの仕様変更や板URLの変更には対応していません。
それらの修正はユーザー自ら手動で行うなどの工夫が必要となってきます。
今回は主に2020年代以降もアップデートが続いている専ブラを中心に選抜し、PC閲覧時に快適でおすすめな専ブラをご紹介していきます。
パソコン用の専ブラにはスマホアプリにはない高度な機能を備えていること、大画面で閲覧できる利便性などスマホアプリよりも優れた部分があります。
パソコンを中心に利用している人、普段はスマホで5chを利用しているという人、多くの人におすすめの情報ですのでぜひお読みください。
PC閲覧時に専ブラを使うメリット
5chはパソコンに入っているインターネットブラウザさえあれば読んだり書き込んだりできます。
なぜあえて専ブラがあり、多くの人が利用しているのか。そのメリットを解説してきます。
人大杉を回避できる
5chのサーバー内には以下のようなデータ・プログラムが存在します。
- dat スレッドの書き込みそのものが保存されているログファイル
- read.cgi datをインターネットブラウザ向けのレイアウトに整えるプログラム
インターネットブラウザから5chにアクセスすると、read.cgiを通してdatの中身からレイアウトを整えたHTMLページが生成され、表示されます。
お馴染みの5chのレイアウトや、スレタイのリンク、表示される広告などをアクセスのたびにread.cgiが作動して生成・表示しています。
「インターネットブラウザからアクセスする」=「read.cgiを使う」ユーザー数があまりにも多くなると、read.cgiの動作が限界に達してエラーを表示しつつ停止します。
このエラーが「人大杉(ひとおおすぎ)」です。
一方で専ブラはread.cgiは使用せずにdatを直接読み込み、レイアウトの生成は専ブラ側が行うため、read.cgiのエラーである人大杉を回避して利用できます。
また、read.cgiを通すとそのたびに「最新50」や「全部」のレスを読み込みますが、専ブラではすでに読み込まれているレスには触らず、まだ読み込んでいないレスのみ(いわゆる「差分」)を取り扱います。
5chとしても専ブラの利用が増えるとread.cgi用のサーバー増強やトラブル対処の負担が減るため、基本的には専ブラの存在は歓迎しており、大いに利用をすすめている時期がありました。
しかし、一部の専ブラに「非常に短い間隔での自動リロード」など、5chのサーバーに人大杉以上の負荷をかけるものが登場しました。
5ch運営はこの対処として、負荷のない善良な専ブラを「オフィシャルアプリ」として公式に推奨するとともに、負荷の大きい悪質な専ブラを排除する対策を取りました。
具体的には、専ブラがdatファイルを直接読み込む処理を禁止し、登録制の2chAPIを介するという形式に変更。
有志によってこの仕様を突破する非公式ツールも開発されていますが、それを併用してまで開発終了した専ブラを使用するのは現実的ではないでしょう。
dat落ちしたスレもそのまま読める
1000件を超えたり、最終書き込みから長期間が経過したスレッドはread.cgiを通して閲覧するページからはアクセスできなくなります。
しかし、書き込みが収められたdatファイルそのものはサーバー上に(さらに一定期間)残されます。
過去のものとなったスレッドを「dat落ち」と呼ぶのはこの状況に由来します。
そして、専ブラを利用すると、datファイルのURLさえ分かればdat落ちしたスレッドを読み込み・表示することもできます。
dat落ちしたスレッドのURLを知る方法はいくつかあります。
- dat落ち前から専ブラで該当スレッドを読み込んでおり、専ブラから再アクセスが可能
- 5chの過去ログ閲覧サイトなどで突き止める方法
インターネットブラウザからでは読めない情報にアクセスできるというだけで、専ブラを使う価値は大いにあります。
専ブラごとの便利機能
専ブラごとに個性的な便利機能が様々あります。
- 見やすいレイアウト
- NG機能(キーワード・特定IDのユーザーなど)
- 新着レスを目立たせる
- h抜きリンクが通常のリンクとして利用できる
- 書き込み回りのペナルティーを回避(前回書き込みからの経過時間を表示するなど)
- 画像のサムネイル表示・拡大表示
- リンク先の動画を再生 など
また、主な専ブラはプレミアムRoninに対応しており、追加機能が得られます。
- 専ブラに表示される広告除去
- 過去ログ(dat落ち)スレッドの取得
インターネットブラウザからアクセスする5ch本来のレイアウトは使いづらさも目立つため、5chの情報収集を効率的に行うのに専ブラは大いに役立ちます。
Wikipediaやネット検索の情報は古いので注意
専ブラに関するネット記事の多くは「2ちゃんねるブラウザ」というタイトルになっており、5chが改名される以前の古い情報が目立ちます。
特にパソコン向けの専ブラの記事は2010年代前半の日付のものが多く、挙げられている専ブラの多くは開発終了しているどころか、
- リンク先の紹介ページが消滅している
- ドメインが中華圏に乗っ取られて宣伝サイト・詐欺サイト化している
このようなものすらあります。
かのWikipediaにある「2ちゃんねるブラウザ」の記事ですらそのような状況で、ほとんどのパソコン向け専ブラは「過疎っている」という事実は頭に入れておいた方が良いでしょう。
5ch公認の専ブラ4選
5chが公認を与えており、現在もアップデートが続いている、もしくは5chのスレッドが存続していてトラブルの解消法が議論されているおすすめな専ブラをご紹介していきます。
JaneStyle
http://janesoft.net/janestyle/
株式会社ジェーンが提供する、専ブラ界隈では言わずと知れたトップアプリです。
JaneStyleはスマホ版(iOS・Android)の提供も開始しており、専ブラの中でも抜群の安定感を持つ提供元です。
当ブログや様々なネット記事でもすでに紹介され尽くされていますが、おおよそ専ブラに求められる主要な機能を揃えるほか、datファイルをパソコンに保存できるといった高度な機能を多数備えます。
株式会社ジェーンがなぜこんなにも専ブラ開発に積極的なのかというと、そもそも株式会社ジェーンは創業者の山下遼太氏がJaneStyleを開発したことから始まっている会社だからです。
JaneStyleはもともとJane(OpenJane)と呼ばれる、5ch(当時の2ちゃんねる)のソフトウェア板の有志が共同で開発した専ブラでした。
Janeは改造・再配布などの制限がないソフト(オープンソース)として扱われたことで、有能な技術者によりいくつかの派生ソフトが誕生しました。
- JaneStyle
- Jane View
- Jane Xeno
JaneStyleは山下氏がJaneを元に「エレガンス」なレイアウトと使いやすさを追求した改造版で、多くのユーザーの支持を得て現在に至ります。
元となったJaneはオープンソースですが、JaneStyleはクローズソース(プログラムの中身が非公開で改造などは認められない形式)になっています。
オープンソースの恩恵にあずかりながら自分の商品はクローズソースにするのかと言われそうですが、これについては
「自動リロードなどの改造によってソフトやユーザーが5chの規制対象になるのを防止する」
という目的があってのことです。
Janeが誕生した2000年ごろは、インターネットの世界は性善説で出来上がっており、技術者の界隈も狭く、ソフトウェア板の住人たちにもお互いの信頼が存在していました。
2020年代においては、インターネットは金儲けの場という見方が強くなっており、全ての技術者に良心を求めることが難しくなっています。ましてや5chの「界隈」が日本国内に限られなくもなっています。
そういった事情を鑑みると、JaneStyleがクローズソースの方針を取るのは、5ch本体やJaneStyleの存続を含めた俯瞰で考えると打倒な判断といえるでしょう。
多くの専ブラが開発者の「個人の頑張り」に支えられていることで開発がストップしてしまうケースが多い中、JaneStyleは運営母体を法人化したことで安定感が増しています。
向こう数年は定期的なアップデートやトラブル対応が問題なく提供され続けることが期待されるという点で、パソコン向け専ブラの中では稀有な存在となっています。
Live5ch
http://www8.plala.or.jp/uro/live2ch/
コテハンであるgeroimo◆yglmp1Czy2氏の(恐らく)個人によって開発されている専ブラですが、2020年代に入っても定期的なアップデートが続いています。
作者への連絡手段についても「5chのソフトウェア板の該当スレを通す」という、専ブラ黎明期の作法を色濃く残す、5ch密着型の専ブラです。
元はLive2chという名称ですが、「2ちゃんねる」が「5ちゃんねる」に名称変更したのに合わせてこちらもLive5chに改名しています。
フリーソフトのコンテストで多数の賞を受賞しているほか、5ch運営からも公認アプリとして認定されており、あくまで5chやインターネットのルールの中で正直に開発していくという「光属性」の専ブラと言えるでしょう。
「実況モード」と呼ばれる、自動リロード&自動スクロールが大きな特徴となっています。
これは元々の開発コンセプトが実況(Live)に特化した専ブラであったことに由来し、その後さまざまな機能追加を経て「普通っぽい専ブラ」に落ち着いたという経緯があります。
ホットゾヌ2
http://hp.vector.co.jp/authors/VA036533/
イメージキャラクターが2000年ごろに流行した「ゾヌ」であることからも推測できる通り、非常に長い歴史を持つ専ブラです。
アップデートが2017年で止まっており、今から新しく使い始めるにはあまりにも不具合が多い専ブラですが、長い歴史と使い勝手の良さから現在も支持者が存在します。
5chの度重なる仕様変更から現在ではまともに機能しないと考えられていますが、使用不能の機能を無理やり使う裏技や、ある日突然使える機能が復活したなどの現象が、該当スレで議論されています。
これらはホットゾヌ2が5chからAPIの提供を受けている公認アプリであることが関係していると考えられ、APIの更新・仕様変更によって機能の復活などが時々起こったり、仕様の穴を突いて無理やり機能を動かす裏技が発見されたりします。
Sanka
https://www.microsoft.com/ja-jp/p/sanka/9nblggh4zv4q?activetab=pivot:overviewtab
マイクロソフトストアという専ブラとしては珍しい販路を持つ専ブラです。有料ソフトですが無料体験版も提供されています。
作者はTwitterを主な連絡手段としているらしく、Sankaの一部機能にトラブルが発生した際には、Twitterを通した報告を受けて対応するというパターンが2020年代に入っても定番化しています。
これについては5chの該当スレで意見や不満が出ており「5ch専ブラなら自分のスレくらいチェックしろ」という意見のほか、「誰かTwitterで報告しろよ」「これだけ騒いでるのに誰もTwitterに凸ってない説」などの「どうぞどうぞ状態」が繰り広げられることも。
周辺の騒動とは裏腹に、アプリそのもののレイアウトや使い勝手には一定の支持があります。PC閲覧時に快適な専ブラを求めるなら無料体験版だけでも試してみて損はありません。
まとめ
PC閲覧時に快適でおすすめな専ブラをご紹介しました。
かつて多数存在したパソコン向けの専ブラですが、5chの仕様変更によって多くが姿を消していきました。
技術者のトレンドやモチベーションがパソコンソフトよりスマホアプリに移っているという事情もあって、パソコン向けの専ブラはなかなかに過疎っています。
今回ご紹介したPCで快適に閲覧できる専ブラは安定してアップデートが続けられていますので、少ない選択肢の中からお気に入りを見つけていきましょう。